五泉の水と土が生み出す色白レンコン

『五泉美人』

掘り上げたレンコンを水洗いすると、五泉美人の真っ白な肌が現れる

価値ある産地を受け継いで

色がとても白く、シャキシャキとした歯ごたえで、見映え良し・食べて良しのブランドレンコン「五泉美人」。五泉市の木越地域が戦前から続く産地で、その味は昔から評判だったという。平成22年から「五泉美人」としてブランド化が始まったが、生産組合のメンバーはさらに付加価値を高めようと、自分たちの手で品種改良を手掛け、「五泉美人」という品種も生み出したというから驚きだ。レンコン栽培に適した土地があり、そこに情熱を持った人々がいたからこそ育まれてきたその味を、今年もおいしくいただこう。

7月から新物が出て、翌年の6月まで収穫が続く

五泉市が誇るブランドレンコン「五泉美人」は、戦前から栽培が始まったという木越地区が中心産地だ。この土地で収穫されるレンコンはとても白く、美しい。そうしたレンコンに育つ理由は土壌と水にある、と五泉蓮根生産組合の組合長、伊藤弥さんは話す。「レンコンは作る土地によって違いが出ると言われますが、木越の土はサラリとしていて、収穫するとき土離れがいい。また、砂や砂利が多い土だと掘り上げたときに傷が付いたりしますが、そういうことも少ない。さらに五泉は水が豊富できれいな土地で、レンコン畑に流れてくる水もとてもいい。こうした条件の土地はそうそうなく、限られた場所だからこそ、五泉美人には付加価値があると思っています」。

  • 白くて肉厚であるところが五泉美人ならでは

昭和36年に最初の生産組合が出来、昭和45年に現在の組合名に改称。そして平成22年、JAと五泉蓮根生産組合は、木越集出荷場から出荷されるレンコンを対象にブランド化をスタート。当時の五泉市長、五十嵐基氏が五泉美人と命名した。積極的にPR活動を行うなか、組合員たちは新品種育成事業の支援を受けて、「五泉美人」という品種も作り出した。伊藤さんの父親らの世代が、組合の発足メンバーであり、品種改良に力を注いできた。「新品種を作るのは、ものすごい時間と手間がかります。同業者からは、気合いの入った組合に映ったでしょうね。自分たち若手はブランドの宣伝用の幟やシールを作ったりして、手伝っていました」。
レンコンは4月初旬から6月中旬の間に植え付けをして、7月下旬から新物の出荷が始まる。7~8月のレンコンは柔らかくて瑞々しく、秋以降のしっかり成長したレンコンは旨みもあって、煮崩れしにくいものになる。収穫は6月まで続くのでほぼ一年中店頭に並び、生育が進むごとに食感も変わってくるので、その変化も含めて楽しんでほしい、と伊藤さんは話す。

レンコンを育てるうえで、敵は台風などの強風。過去には局地的に木越地区だけ強風に見舞われ、葉が全て枯れてしまったこともあったという。葉が無くなると生育が阻害され、収量はがくんと落ちるという。「ただ、しばらくしたら地下茎から新しい葉が伸びてきて、最悪の状態にはなりませんでした。レンコンの生命力に助けられましたね」。

「うんめえねぇ」と言われることが作り手の喜び

収穫作業をするのは早朝5時頃から3時間ほど。その後、レンコンを水で洗い、箱に詰める作業を進め、午後3時半に集出荷場へ運ぶ。新潟県内の5つの市場に出荷され、ほぼ県内で消費されていて、一部は新宿伊勢丹でも販売されている。

前組合長の土田さんのレンコン畑の収穫作業の様子。
専用機から水を送り込んで水中の土を掘り起こし、浮かんできたレンコンを収穫

機械で泥を落としたあと、さらに細かい部分の泥などを丁寧に落としていく

生産者にとっては、いいレンコンを掘り上げたとき、そして食べた人から“うんめえねぇ”と言われたときが何よりうれしい、と伊藤さん。「農家は皆そうだと思うのですが、良いものを作って、求めている人に喜ばれるのがうれしくてやっていると思いますね。夏、レンコンの葉が畑いっぱいに茂っている風景を見ると、きれいだなぁ、いいなあと思いますよ」。
現在、五泉美人を手掛ける生産者は13名。かつての半数くらいになっているが、なかには新規就農者もいる。レンコンは水の中で収穫作業をする姿が大変そうに見えるが、収益性としては良い作物だ。JA新潟かがやき・五泉アグリセンターの小日山惇さんは「JAとしても若手生産者がさらに入ってきてくれたらいいなと思っています。後継者がいない高齢の生産者の畑を引き継いでもらうということもできますし、私たちもサポートして産地を守っていきたいと考えています」と話す。

  • 箱詰めして集出荷場へ

  • 木越集出荷場

  • 午後3時を過ぎると、続々と生産者がレンコンを搬入

天候によって、その年の収穫量が左右されるが、年間240トンを目指しているという五泉美人。伊藤さんはサッと茹でてドレッシングで和えるサラダや定番の天ぷら、小日山さんは甘辛い照り焼きの味付けがおすすめとのこと。「レンコンは縁起物でもあるので年末年始に食べるイメージがあるかもしれませんが、いろいろな料理で楽しめます。ほぼ一年を通して出回っているので、ぜひたくさん食べていただきたいと思います」。

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JA新潟かがやき
五泉アグリセンター

小日山(こひやま) (まこと)さん

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五泉蓮根生産組合
組合長

伊藤(いとう) (わたる)さん

お問い合わせ

JA新潟かがやき
五泉アグリセンター

〒959-1834
五泉市木越116-1
TEL:0250-41-0002 
FAX:0250-41-0008

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