新潟の食を支え、130年

神山物産株式会社

今年創業130年を迎えた神山物産株式会社。食品原材料や農業資材を扱う問屋・商社として歩んできた同社は、新潟県の基幹産業である食品産業、そして農業の発展を長年に渡って支えている存在だ。この春からは、新たな試みとして自社ECサイトをスタートし、お付き合いのある生産者の優れた産品を広くアピールする事業も開始。生産現場から販売まで、新潟の食をさらに力強くサポートしている。

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  • 明治24年に長岡で創業した神山敬太郎商店。奉公先の小間物問屋と同じ商品を扱っては修行先に迷惑がかかると考え、 海産物を中心に扱うことにしたというエピソードに、初代の誠実さ、義理を大切にする人柄を感じることができる

新潟の食品や農産物の生産を
力強くバックアップ

神山物産の創業は明治24年。初代の神山敬太郎が、長岡市で海産物や荒物を扱う商店を開いたのが始まりだ。現在は食品メーカー向けの砂糖や小麦粉、油脂、調味原材料などを扱う食料本部と、農家向けの肥料や米穀を扱う農産本部の二本柱で、新潟の「食」を支えている。
10代目の経営者である佐藤友紀社長は「新潟県は食品産業が県内産業のトップというのが大きな特徴です。しかも米菓や切り餅、水産練り製品は、新潟県が全国ナンバーワンのシェアを誇っています。そうした地域の食品企業のみなさんのところへ食品原材料を納めるのが我々の仕事。こうした恵まれた環境のなかで商売をさせていただけていることに感謝しています」と語る。

代表取締役社長

佐藤(さとう) 友紀(ともき)さん

畜肉事業に伴い、チリ大使と公邸で面会した佐藤社長

農産部では農業資材や肥料、農薬などの販売と、米穀の仕入れ販売を手掛ける。米穀事業は平成7年の食糧法改正による流通規制緩和をきっかけに佐藤社長が中心となって立ち上げ、関東や関西の米穀卸や商社、大手米穀店などに販売を拡大してきた。最近は、生産量の多い農業法人の顧客も増えていて、農業資材を販売している農業法人から米穀を仕入れるという流れも出来てきている。また、10年前から始めた、海外産豚肉の販売事業も好調だ。

本社・支店には試作室があり、社員は提案する商品を使って試作品を作る。
パンや麺、餃子などジャンルはさまざまで、ひと通りの業務用調理機器が揃っている

しかし、近年の卸業界は大手企業が地方にも進出してくるようになり、決して安穏とはしていられない。「問屋は、以前は商品を大手から仕入れて2次店、3次店に売ればよかった。しかし、今は問屋不要論が出てくる時代です。そのなかで生き残るために必要なのは、お客様のためになる豊富な専門知識と提案力。売るだけなら、価格の安いところにチェンジされてしまうだけです」。そのため、営業担当はメーカーとの勉強会で知識を増やし、提案する材料で試作品を作って営業先を訪れる。「社員はケーキやハンバーグなど、いろいろ作っていますよ。実際の品物があると、お客様もイメージしやすいですし、話が広がります。お客様から“こういうものが欲しいんだけど”と相談される存在になるのが一番。やはり、最後は人と人との関係が大切です」。

  • 肥料販売業者を対象に、商品の説明を行う圃場指導会

  • 定期的に食品メーカーの担当者を招き勉強会を開催。学んだ専門知識が取引先への商品提案や指導会に生かされている

経営の基本は初代から
受け継ぐ「誠実」さ

農産部と食料部の連携によって、例えば漬け物加工会社からナスが欲しいと相談され、新潟の農家を紹介してつなぐといった事案も生まれている。これは、生産者と加工業者の両方にパイプを持つ、神山物産ならではの強みだ。
経営方針として代々守っているのは、地域に密着した商売をやっていくこと、と話す。「初代から“誠実”であることが基本であり、代々受け継がれてきました。それゆえ、バブルの時代でも儲かりそうな話には乗らず、異業種、異質なものには手を出さない堅実な経営をして、信用を得てきました。私も本業以外はやりませんし、今後の経営者も手を出すことはないと思います」。

そんな佐藤社長が、将来への投資と捉えているのが社員の採用。「中小企業は特に、その人にお客様がついていることが多いんです。それをしっかり受け継ぐ人材を育てることが会社の将来のためになるので、知識と経験があるベテラン社員がいるうちに、若手を育てなければなりません。だから、社員採用は投資だと思っているんです。そして家族のために一生懸命働いている社員に、その頑張りをきちんと還元していくことが務めだと思っています」。
今年4月、同社では新たな試みとしてECサイトをオープンした。新潟の選りすぐりの美味しいものを揃えた、その名も「新潟うんめぇもん!発見市場」だ。「お取引先の農業生産者さんや食品加工会社さんには、紹介したくなる素晴らしいものがたくさんあります。それを紹介、販売することで、購入者の方に楽しんでいただけるのはもちろん、我々もお客様も知名度を上げていくことができると思っています」。
長年、「新潟の食」を支え、多くのつながりがある神山物産だからこそ、この新しいチャネルへの期待も高まる。これからも新潟人らしい誠実なサポートで、新潟の食を支えていってくれるはずだ。

お問い合わせ

神山物産株式会社

〒950-2089
新潟市南区流通センター
3丁目3番地2
TEL:052-260-4101 
FAX:025-260-4102

  • 本社外観写真
  • 本社外観

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  • 物流倉庫

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  • 関東支店

  • 今年6月より群馬県前橋市の新社屋にて営業開始。関東方面への営業強化を進めている

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