心技体を整え、お役に立つ

株式会社千代田設備

千代田設備は一般住宅から店舗、ビル、工場、公共施設など、あらゆる建物の水道工事や空調工事を請け負っている。社員は技能競技大会に出場し、何度も入賞。今年は環境に配慮した活動や人材育成に取り組む企業が表彰される「環境人づくり企業大賞」の令和2年度優秀賞に新潟県内企業として初めて選ばれた。そうした取り組みの全ては「心を鍛えるため」。仕事に真摯に向かう熱き心が集まっている会社だ。

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水道や空調は建物の血液や内臓にあたるもの

新潟市に本社を置く千代田設備。この文字が入った作業車を街中で見かけることは多い。水道工事や空調工事を手掛ける同社では、約200人いる施工担当の社員が毎朝、一斉に各現場へと出かけていく。年中無休体制で緊急修理への対応も行っている。
同社の創業は昭和40年3月。創業者である佐藤袁也相談役がひとりで立ち上げた。「設備会社に7年勤めてからの独立でした。親孝行のため、そして貧乏からの脱却のために、いつかは会社をやろうと思っていましたが、最後は父親に背中をどんと押されて覚悟を決めましたね」と佐藤相談役は当時を振り返る。みぞれが降るなかを最初の現場に行ったことを、いまもはっきりと覚えている。前年に新潟地震が発生した影響で需要は多かった。仲間も次第に増えていった。「振り返ると、ただただ夢中にやってきましたね。次も仕事をいただきたいから頑張りました。お客様に“今までの奴より腕がいいな”とほめられるとうれしかったし、技術以上に人としても良い印象を持っていただけるように努力しました」。

相談役

佐藤(さとう) 袁也(のぶや)さん

佐藤相談役が毎年生家を訪れるほど敬愛し、
手本としているのが二宮金次郎。
両川営業所には像も設置されている

工事は、夏は炎天下、冬は極寒のなかで行うことも多い。そこで自分を支えるのは、人々の生活に直結する仕事であるという使命感だ。「人が生きていくには空気の次に水が必要で、我々はそれを司る仕事。建物本体がボディならば、水道や空調はそこに巡る血管や内臓にあたります。皆さんの命に直結する、とても重要な仕事です」。

工事を行う職人は約200人。約150台の作業車で、日々現場で汗を流している

ライフラインを守る立場として、阪神・淡路大震災や中越地震、東日本大震災などの災害時には、要請を受けて被災地での水道復旧工事などに従事。「日頃、生業としている我々ですから、皆さんが困っているときは腕の見せどころであり、お役に立ちたいと思っています」。平成30年には大寒波のため、県内各地で水道管の凍結や破裂が相次いだ。会社には修理要請が引きも切らず、人手が足りなくなり、佐藤相談役も若手社員を連れて出動。依頼先の民家で修理を終え、お客様に「私、何歳に見えますか」と尋ね、80歳だと告白すると、とてもその歳には見えない動きだったと仰天されたと笑う。「仕事が終わると心がスカッとするんですよね。バリバリ仕事をすることが、長生きの秘訣かなと思います」。

  • 中越地震をはじめ、頻発する災害の復旧に全社一丸となって取り組む。
    東日本大震災では、延べ2,000人もの社員を派遣する大規模な対応となった

人間性を育てる環境を作るということ

佐藤相談役は、どんな職種においても人間性が大事だと話す。「もっとお客様に喜んでいただきたい、というやる気や使命感が大切。それを叶えるためには自分の心を鍛えることです」。
千代田設備では昭和50年から本社周辺などの清掃活動を社員全員で続けている。「自分がゴミ拾いをしていると、他に良いことをしている人にもすぐ気付けるし、相手も気付いてくれる。学びが多いのです。そうした習慣は、仕事でも自分が使った道具や材料をきちんと整頓することにつながる。人間は環境に影響される動物なので、そういう環境を作ることが大切なんです」。

  • 昭和50年から続く社員による町内清掃。技能五輪国際大会で外国に行ったときでも、会場周辺の清掃を欠かさず行う

  • 廃材利用のユニークな植木鉢は名物スポット。こうした再利用の取り組みも、「環境人づくり企業大賞」の評価のひとつになった

また、同社では長年、社員が技能競技大会に参加し、何度も入賞。2年に1度の国際大会にも国の代表として6度出場を果たしている。
出場を決めると社内ではサポート体制を組み、先輩社員がコーチを務めるそうだ。さらに、同社は今年、環境省などが表彰する「環境人づくり企業大賞」の優秀賞を県内企業で初めて受賞したが、こうした賞にエントリーする目的も、自分たちを磨くためだ。「まずは賞を目指して努力をしますね。そして、受賞して報道などで取り上げられると、それに見合う自分たちでいなければという気持ちになります。決して受賞が目的ではなく、その機会を通して自分を高めるために、挑戦を薦めています」。

  • 2015年、ブラジルで行われた技能五輪国際大会では3位に輝いた

技能五輪への出場が決まると、社内でチームが組まれ、先輩社員がコーチとなって技術を磨く

  • 本社の入り口にはこれまでに獲得したメダルが数多く並ぶ

「作業は辛いこともありますが、経験によって自分が進化していく。社員には、お客様のもとで毎日が面接試験であり、毎日が技能検定なのだよ、と話します。会社は社員の人生づくりの場でもある。礼を尽くし、技を磨きながら成長していってもらいたいですね」と社員への思いを語る佐藤相談役。その信念を受け継ぐ社員たちは、今日も人々の暮らしを守るため、新潟の街を駆け巡っている。

お問い合わせ

株式会社千代田設備

〒950-0991
新潟市中央区下所島2丁目 17番3号
TEL:025-284-1141(代表) 
FAX:025-284-2816

  • 本社外観

  • 本社内勤務風景

  • 全スタッフが参加する研修会が開かれ、
    安全や技術の向上に取り組む