地に足をつけ、地域のために

株式会社廣瀨

昭和29年に創業し、総合建設業として様々な建物の建築や公共事業工事などのインフラ整備を手掛けている株式会社廣瀨。不動産業や太陽光発電事業、介護事業などグループ全体で事業の幅を広げている同社が大切にしているのは、地域が必要としているところでお役に立ち、地に足をつけて一歩ずつ成長していくということ。新潟三越跡地の再開発事業への期待も高まるなか、地域の人々のため、その情熱を注いでいる。

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  • 本社外観

激動の時代、雇用を守るために経営を多角化

株式会社廣瀨は旧黒埼町(現・新潟市西区)で昭和29年に創業。総合建設業としてマンションやオフィスビル、商業施設などの設計・施工・管理、橋梁や河川工事、ダム、道路建設などの公共事業によるインフラ整備を請け負っているほか、不動産業や介護なども手掛け、その事業は多岐に渡っている。
今から45年前、25歳のときに父から経営を引き継いだ廣瀬徳男社長。「会社がまだ小さいときに業界に出て、いろいろな試練、困難がありました。しかし、だからこそ頑張れたし、会社も成長してこられたので、ありがたいと思っています」。

代表取締役

廣瀬(ひろせ) 徳男(とくお)さん

本社ロビーには創業者・廣瀬廣政氏の胸像がある

引き継いでからの数十年は順調に業績を伸ばしていたが、バブル崩壊、それに続く財政再建による公共事業の減少で市場が大幅に縮小。大手の建設業者が社員の大量リストラを行うなど、業界全体が大きな打撃を受けるなか、廣瀬社長は雇用を守りたいという思いが強かったと振り返る。「会社が小さいときから一緒に頑張ってくれた人たちを、業績が悪くなったからといってリストラはしたくないですから。そこで事業の多角化を進めました。やるのは地域から必要とされているもの。20世紀の大量生産大量消費の時代から、21世紀は環境重視の資源循環型社会になるだろうという考えもあり、リサイクル事業から始めました」。
立ち上げた北陸ジオテックは蛍光灯や土のリサイクルを手掛ける会社だ。次に住居型有料老人ホームを設立したが、自身の母親が要介護認定となった経験から、入居者の家族の目線での運営を心掛けたという。さらに、産業用太陽光発電事業は、現在、県内最大級の規模となっている。

  • 平成17年に開設した「スマイルホームみずき野」

  • 平成27年、ナミックス(新潟市北区)と廣瀨の共同企業体により、
    最大11万メガワットを誇るメガソーラー発電所(胎内市)を建設

会社は少しずつでも成長しながら歩んでいくのが理想的だと話す廣瀬社長。「停滞は衰退になります。社員みんなが前向きな考えで、お客様の立場になって誠心誠意、地に足をつけて一歩ずつ進む会社でありたいと思います。建設会社がマンションを作ると、作って終わりになりがちだけれど、当社はお客様の利便性を考えて入居者管理もやるようにしました。その部署も人数が増えたので分社化しましたが、そうやって少しずつ会社が増えてきましたね」。

新潟三越跡地再開発事業に全力で向かう

社員にはいつも、目先の損得よりも信用を大事にして仕事をしてほしい、と伝えている。「私自身は大した人間ではないけれど、人に恵まれたし、運も良かった。若い頃はハングリー精神も強かったですが、いまは福徳一致、福が欲しければ徳を積むべしという思いです。感謝の気持ちが大切ですね」。

  • 書家が揮毫した「福徳一致」の「福」「徳」の二文字が
    本社入り口に飾られている

多くの人に身近なところでは、一昨年からデッキー401の事業を引き継ぎ、ヒロセ商業マネジメントを設立して運営を手掛けている。「引き継いだのがちょうど感染禍の自粛期間で非常に大変な時期でしたが、無駄を省く努力をして効率化を図ったり、誘客の工夫を重ねたりしたことで、逆に客足は良くなりました。厳しいときに引き継いだからこそ、身を引き締めて向かわなければいけませんでしたし、それがかえって良かったと思います」。

  • デッキー401

さらに、現在は新潟三越跡地の再開発という大きな仕事に取り組んでいる。「再開発事業として、法律に則って行政の指導も仰ぎながら事業を進めていくにあたって、当社だけでは経験とノウハウが足りないということで、東京建物(東京都中央区)さんにパートナーになっていただきました。東京建物は安田財閥の創始者の安田善次郎が設立した日本一古い歴史を持つ不動産会社で、地方都市での再開発経験もお持ちです。この連携が決まって、商店街や地域の皆さんからは成功確率が上がったと喜んでもらえましたね」。
新潟市にとって、そして市民、県民にとってもこの再開発に寄せる関心は大きい。「こういう仕事は世のため、人のためという公の気持ちが大事。やり始めたからには何が何でも成功させなければいけません。地域住民の皆さんの利便性が高まり、なおかつ地域の人が訪れたくなるような施設を目指して、皆さんに喜んでいただける仕事ができるよう、頑張っていきます」。

  • 社名や会社ロゴは、黒埼町が新潟市に合併するタイミングで社員から募集して変更したもの

数年前に改装したという社内は、洗練された雰囲気。踊り場の壁には工具や建設機器のイラストが描かれ、
エントランスの床には実物の工具が埋め込まれるなど遊び心も

お問い合わせ

株式会社廣瀨

〒950-1102
新潟市西区善久823番地
TEL:025-377-1500(代表) 
FAX:025-377-1501(代表)