信頼される誠意の仕事を

新印食品株式会社

総合食品卸を手掛ける新印食品株式会社は、県内に4拠点を構え、生鮮食品から業務用商品まで、圧倒的な品揃えで顧客を支えている。納品先は新潟県内のスーパーや個人商店などの小売業者、飲食店、ホテル、養護施設など。生産者や食品メーカーと消費者の間を橋渡しする役割を担い、翌朝からの営業に間に合わせるため深夜に配送を行うなど、まさに舞台裏を支える縁の下の力持ちだ。

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頭の中の季節はいつも逆転

私たちが店で買い物をし、飲食店で食事をするという当たり前の毎日を、裏から支えてくれているのが卸業者。新印食品株式会社は新潟、吉田(燕市)、新発田、六日町に営業所を持ち、新潟県内の幅広いエリアで事業を展開している総合食品卸だ。設立は昭和37年。“総合”という通り、扱う商品は青果、鮮魚、精肉、米、酒、調味料、一般食品、業務用食品、花きまで幅広い。斎藤博之社長は「スーパーの商品を丸ごと扱っているとイメージしていただければと思います」と話す。

代表取締役社長

斎藤(さいとう) 博之(ひろゆき)さん

本社外観
各営業所は地域の市場に隣接。新潟営業所も新潟市中央卸売市場の一角にある

扱う商品数はおよそ1万2000アイテム。「月に1回行う棚卸しが大変です」

主な仕事は、取引先であるスーパーや小売店、飲食店、各種施設の注文に応じて、食品を届けるというもの。本社倉庫からは、取引先のスーパーへ納品する商品を積んだトラックが、朝からの営業に間に合わせるため、毎日深夜に出発する。私たちが眠っている間に、こうして動く人々がいてこそ、いまの便利な生活がある。
同社が大切にしているのは、お客様の細かい要望に応え、より良い提案を行っていくことだと斎藤社長は話す。「スーパーや小売店には、メーカーからの情報を元に新商品の説明をしたり、陳列方法を提案したりします。メーカー側からは常に半年先の情報が入るので、冬には夏の商材について打ち合わせをしています。仕事では常に季節が逆転している感じですね」。

本社倉庫には昼過ぎから翌日配送用の荷物が運び込まれ、深夜にトラックに積み込まれて出発する

新発田には鮮魚の加工場があり、そこで魚を切り身にしたり、漬けにするといった加工も手掛けている。養護施設や保育園・小学校から寄せられる、給食用にもち切りにしてほしい、骨を外してほしい、といった細かなリクエストにも応えていけるのが強みだ。「誠意をもって仕事をして、お客様に信頼していただくことが卸業者にとっては一番重要です。近年は卸への風当たりが強かったりもしますが、その中で生き残っていくためには、やはり誠意ある仕事で、我々が必要だと思っていただくことが大切だと思っています」。
同社では各営業所に業者向けのショップも併設。新潟営業所の総合卸売センターは大型スーパー並みの規模で、品揃えも抜群。ここに小売店や飲食店の経営者などが仕入れにやってくる。

早朝5時からオープンする「総合卸売センター」には
生鮮食品、一般食品、業務用商材、生花まであらゆるものを品揃え。
斎藤社長は知り合いの業者さんと「どうも!」と気心の知れた挨拶を交わす

社員の成長を褒められる瞬間がうれしい

斎藤社長と総合卸売センターの売り場を訪ねると、顔見知りの業者が次々声をかけてきて、笑顔で会話がはずむ。商売はまさに人づきあいだと感じる瞬間だ。社長自身は40年以上にわたり、営業に携わってきた。「人と話をするのが好きですね。相手があって、自分たちがあるので、やはり誠意が大事。若い社員たちにはモノを売ることを好きになってもらいたい。お客様の売り上げに貢献できたとき、本当に自分の喜びになりますから」。
お客様に個人事業主が多いこともあり、自然と社員との間も親しくなる。「うれしいのは、長いお付き合いのお客様から、新しく入った社員に対して“一人前になったよ”と褒めてもらえたとき。営業担当は商品について膨大な知識を勉強しなければいけませんし、経験の積み重ねも大切です。その努力を認めてもらえるのは本当にうれしいです」。

新型コロナの流行前には、市場を一般に開放するイベントなども各地で行われ、多くの来場者で賑わっていたと振り返る斎藤社長。「日頃は、一般の皆さんが市場に来る機会はほとんどなくて、食品がどういう流れで運ばれているのか、実際の様子を自分の目で見ることがないと思うので、また、そうしたイベントが復活したらいいなと思いますね」。
今年は7月中旬に、燕市の新印青果西部卸売市場が移転オープン予定で、それに伴って新印食品の吉田営業所もそちらに移転する。この新施設は市場だけでなく、近隣住民向けの直売所も設けられ、災害時には指定緊急避難場所に隣接した立地で食料提供基地になる機能も持たせるなど、試みが盛り込まれた拠点として注目されている場所だ。新たな市場の動きに刺激を受けながら、これからも新印食品は地域と共に歩んでいく。

  • 7月に開場予定の新印青果西部卸売市場(完成イメージ)

お問い合わせ

新印食品株式会社

〒950-0113
新潟市江南区西山784番地9
TEL:025-277-3555 
FAX:025-276-8881

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