美味しい牛肉を食卓へ

株式会社よね一

新潟市の牛肉専門卸・加工会社の「よね一」。創業時の精肉店から事業を拡大し、現在は村上牛を中心として、にいがた和牛や仙台牛、山形牛などを広く扱い、国内・海外へと送り出している。平成5年度には新潟市食肉センターにカット工場を開設、平成18年には最新鋭の衛生設備を備えた本社工場を新設。「安全でおいしい牛肉をより多くの人へ届けたい」をモットーに、日々事業と向き合っている。

  • katuryoku-img

村上牛やにいがた和牛、仙台牛を全国、海外に

昭和初期に初代が新潟市で創業し、主に銘柄和牛を取り扱う卸会社として歩んできた「よね一」。読者の皆さんのなかには、新潟市東区にある直営店舗「よね一河渡店」をご存じの人も多いかもしれない。各種精肉をはじめ、コロッケやトンカツなどの揚げ物惣菜や弁当、和牛ハンバーグなどを販売していて、連日多くのお客様で賑わっている。
八木信一社長はよね一の三代目。大学を卒業して大手食肉加工会社に就職し、その後帰郷。よね一に入社するも、間もなく先代の父が病気で急逝し、35歳で社長に就任した。「大変でしたよ。若かったということだけでなく、ふたを開けてみたら債務超過になっていて、とにかく売り上げて利益を出さなければ、というところからのスタートでした」。社員への給料を払うために現金を用意しなければと、自ら行商。年に3回はトラックいっぱいに肉を積み、宮城県を中心に東北を回っていたそうだ。
現在はデパートやスーパー、食品メーカー、小売店や飲食店などに牛肉を卸している。仕入れた牛はと畜後、新潟市食肉センター内に併設されたカット工場で作業を行って包装。それを本社工場で注文に合わせてカットし、真空パックの状態で出荷する。設備、空調など最新鋭の衛生環境を整え、安心とおいしさを届けている。

代表取締役

八木(やぎ) 信一(しんいち)さん

本社外観

出荷作業をする場所も温度管理されており、トラックの荷台を建物に連結させた状態で積み込む

扱っている銘柄牛のなかでも村上牛は、八木社長もその価値を市場にアピールし、評価を確立するのに一役買った。しかし、現在は生産者が減っていることを心配している。にいがた和牛も含め、新潟県内だけでは供給が間に合わないため、仕入れは仙台牛や山形牛など東北一帯にも広げている。和牛人気が高い海外への輸出も行っているが、輸出品は指定と畜場を利用しなければならず、新潟には施設が無いため、仙台や青森まで運んでいるという。「新潟はチャンスがあるのに遅れをとっているのが惜しい」と八木社長は話す。

銘柄牛の販売貢献に対する感謝状などがずらりと並ぶ

牛肉をもっと気軽に味わってもらうような仕掛けもしたい

畜産農家との交流も大切にしてきた。牛を育て続けるためには、農家がお金を稼げなくてはならない。だからこそ、牛を大きく育てることが重要だとアドバイスしている。「我々も頑張って値段はつけるけれど、重量があることでしっかり稼げる。太らせるにはリスクもあるので怖がる農家もあるけれど、仙台では我々と生産者、飼料屋で定期的に勉強会をやるなどして、牛を大きく育てられるようになってきて、成功していると思います」。
会社としての課題のひとつは、肉を扱う人材の育成だ。「枝肉を部位ごとにさばいていく作業などは、本当に職人技なんです。出来る人たちが高齢化してきていて、その技術を若い人に伝授してもらわないと、10年後、20年後には困ることになる。スペシャリストの育て方が、この1年、2年の課題だと思います」。

  • 塊肉をカットする作業を行っている本社工場。毎月、検査員によって菌量検査などが行われている

肉をカットする技術はもちろん、パックにきれいに並べるのも購買意欲を左右する重要な技術だそうだ

もうひとつは、新潟の皆さんをはじめ、多くの人にもっと気軽に牛肉を楽しんでもらいたいということ。「牛肉はごちそうのイメージが強いんですよね。確かに銘柄牛は高級品だし、ステーキなどは特別な料理。それでも最近はローストビーフは日常的に売れるようになってきました」。よね一オリジナルのビーフカレーやビーフシチュー、和牛ハンバーグといった商品も人気だ。
今後さらに牛肉に親しんでもらうためには、手軽な価格で食べられるメニューを出すアンテナショップというアイデアもいいかな、と八木社長。「気軽な牛肉メニューといったら牛丼があるけれど、そういう気軽で安くて誰でも入りやすいお店があると面白いかなと思う。牛肉の美味しさを知ってもらえる親しみやすいメニューを何か生み出せたらいいなと思います」。
牛肉業界全体の活性化のために、さまざまな方向から〝よね一ができること〟を日々考えている同社。特別な日も、日々の食卓でも、おいしく牛肉を楽しめる環境を、これからも支えていく。

稀少な部位の精肉や総菜、よね一オリジナルの加工品などが豊富に揃う。
国産黒毛和牛や村上牛を使ったレトルト商品も人気
よね一 河渡店 TEL:025-282-5673 新潟市東区河渡庚248-1
営業日:10:00〜18:00 休日:水曜

お問い合わせ

株式会社よね一

〒950-2032
新潟市西区的場流通1丁目3-11
TEL:025-210-1080 
FAX:025-210-1088

読者プレゼントがあります。
応募フォームからご応募ください