県産牛乳で健康を支える

新潟県農協乳業株式会社

新潟県民になじみ深い、ブルーと白のパッケージの「農協牛乳」。この牛乳は新潟市西蒲区にある新潟県農協乳業の工場で生産されている。創業から今年で46年。新潟県産のおいしい生乳を、安全・安心の品質の牛乳とするため、日々厳しい衛生管理や検査基準を守りながら歩んでいる同社。酪農や乳製品を取り巻く環境が変化していくなかでも、変わらぬおいしさを県民に届け続けている。

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家庭や学校給食で親しまれている「農協牛乳」

農協牛乳を代表商品として、新潟県産の生乳を使った牛乳、加工乳、乳飲料を製造している新潟県農協乳業は、昭和54年に設立。当時の西蒲原郡に酪農家が多かったことや、県内一の消費地である新潟市に近い場所として、現在の地に工場を構えた。「牛乳を生産する上で第一に重要なのが鮮度です。新鮮な生乳をすぐに集めて、製品もすぐに市場へ出せる立地を考えたのだと思いますね」と飯田明社長は話す。

代表取締役社長

飯田 明さん

製品の約98パーセントは県内消費。学校給食用の牛乳は県内32区域のうち22区域を担当していて、200ミリリットルのパック牛乳を年間約1900万本生産しているという。
創業以来、掲げているモットーは「安心・安全・おいしい」。牛乳は食品のなかでも特に厳しい品質管理が求められているもので、同社も国際基準の衛生管理手法のHACCPを導入している。毎朝、県内各地から冷やした状態でタンクローリーによって工場へ運ばれた生乳は、殺菌などの工程を経て牛乳となる。搬入時、殺菌後、出荷前と3回の検査を通過して初めて、市場に送り出される。

品質検査を行う検査室。3回の検査をクリアして初めて市場に送り出される

  • 20tタンク4本と30tタンクが並ぶ搬入口。農協牛乳のほか、産地限定牛乳やプライベートブランドの製品なども手掛けているため、このほかにも敷地のあちこちに大小さまざまなタンクが設置されている

  • 搾乳された生乳がタンクローリー車で運ばれてくる

  • クラリファイヤーとよばれる機械で、目には見えないゴミなどを取り除く

  • 殺菌・冷却した牛乳はサージタンクに貯蔵される

  • 牛乳パックに充填。安全性の維持や、パックの仕様変更などにより常に設備が更新されている

昨今の世界情勢の影響で、牛の飼料が高騰し、酪農をとりまく環境は厳しさを増している。さらに、後継者不足もあり、県内の酪農家はこの20数年で260戸も離農し、生乳生産量も33000トンと半分以下になっている。「ウクライナ情勢や円安など厳しい状況は続いていますが、そうしたなかでも新潟県の皆さんに新鮮でおいしい県産牛乳を届け続けることが使命と考えています」。
気候変動による酷暑も牛にとっては大敵だ。「牛は暑さに弱いので、あまりに暑いと命を落とすこともあります。少しでも貢献できるようにと、営業車をハイブリッド車にしたり、2年前には太陽光パネルを設置したりして、冷蔵庫などの電力に再生可能エネルギーを使うようにしています。私自身も自家用車をEV車に乗り換えました。本当に微力だとは思いますが、少しずつの努力が重なっていけば大きな力になると思っています」。

  • 200mlのパック牛乳だけで1日約10万本を製造・出荷

環境変化は牛にもさまざまな影響を与えている

子どもはもちろん、大人にとっても必要な栄養を手軽に摂ることができる牛乳。夏と冬では味わいが違う、という話も耳にしたことがあるだろう。「それは牛乳に含まれる乳脂肪分が変化するからです。夏の暑いときは、人間もさっぱりしたものが食べたいし、水もたくさん飲みますよね。牛も同じで、少し体の脂肪が落ちてしまうんですね。冬は逆に寒さに耐えるために体に脂肪を蓄えるので、牛乳の脂肪分も上がります」。そうしたことも消費者に知ってもらおうと、農協牛乳のパッケージには、乳脂肪分の年間の変化を表したグラフが掲載されている。「以前、県外のお子さんがその話をお父さんにしたら、牛乳はいつでも同じだろうと言われたけれど、当社のパッケージを見せたら分かってもらえたという話がウェブの記事に載っていて、興味を持ち、理解してもらえたことがとてもうれしかったですね」。

  • パッケージには乳脂肪率の変化を表すグラフが掲載されている

近年は、特に若い女性から牛乳は太るイメージで敬遠されがちで、そこには誤解があって残念だという飯田社長。「牛乳の乳脂肪は体への吸収が早くて、エネルギーに代わるのも早いです。また、お子さんはもちろん、特に女性はカルシウム不足になりがちです。牛乳は簡単に、そのまま飲んで栄養摂取できるので、これほどいいものはないと思うんですよ」。ミネラル分も含まれているので、実は熱中症になったときに飲むと回復度が向上するなど、日頃から飲んでいると予防になることが期待できる、と飯田社長。「学校給食では月に1度、アルビレックス新潟牛乳を出すのですが、牛乳嫌いの子がアルビだからと手に取って、それ以来牛乳が飲めるようになったという話もあります。そうした力も借りながら、多くの県民に牛乳で健康になっていただきたいと思っています」。

  • 本社工場の入り口ではリアルな牛のオブジェがお出迎え

  • 事務所内観

  • 事務所外観

お問い合わせ

新潟県農協乳業株式会社

〒959-0514
新潟市西蒲区称名918番地
TEL:0256-86-3511 
FAX:0256-86-3333

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