情熱と真心でおいしさを

株式会社三宝

「レストラン三宝」「三宝亭」「楼蘭」を始め、多様な店舗を展開し、県内はもとより県外、そして海外へと活躍の場を広げている株式会社三宝。幅広い世代、客層に親しまれ、いまや新潟を代表する外食企業のひとつとなった背景には、お客様に満足していただける品質を届けるため、社員一丸となって取り組む努力や工夫がある。「県外、海外に行くからには新潟のプラスになるものを」と話す金子博信社長に話を伺った。

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フレンチの料理人が立ち上げた町中華食堂

三宝の創業は昭和42年。創業者の金子行宏会長が、新潟市東区上木戸に開業した「三宝飯店」が最初の店だ。金子会長は栃木出身で東京の日活国際ホテルでフレンチの料理人をしていたが、新潟市に東映ホテルが開業する際に誘われ、縁もゆかりもなかった新潟にやってきたそうだ。ホテルから独立するにあたっては、多くのお客様に来てもらえる店として中華食堂を選択。その後、黒埼にレストラン三宝の1号店を出し、洋食と中華の2本柱でメニューを提供するようになった。「当時、遠方からもお客様が来てくれる大繁盛店で、店も少しずつ増えていきました。会長は経営を学ぶために本を読み漁り、コンサルタントに話を聞くために東京へ足を運んだりしたそうです」と金子博信社長は話す。その後、会長の後輩の中国料理専門のシェフが加わり、中華メニューが本格化していくこととなった。

三宝亭の社員は皆、研修を受けて「炒飯技術取得書」を取得。おいしい炒飯を届けるためのこだわりだ

  • 麺は北海道産小麦100%。自社工場で製造している

金子社長は19歳で入社。レストランで働く料理人のあまりの多忙さを見て「みんなが50歳になったとき、この状態で働けているのだろうか」と、今後の業態について考えることになったそうだ。「当時、ラーメンブームの兆しがあって、ラーメン専門店をやってみようと北海道から九州まで食べ歩きました。そうして30年前、燕市にさんぽう亭1号店を出したんです。すると周りから“燕に店を出すなんて、よっぽど自信があるんだ”と言われて。実は、私たちは背脂ラーメンの存在を知らなかったんです。県内のラーメンは見ていなかった。これは大変なことになったと思ったのですが、皆さんに親しんでいただきました」。

代表取締役社長

金子 博信さん

「最近は三宝亭の社長さんと呼ばれることが多くなりました」というほど、ご当地ラーメン店のブランドとなった三宝亭。東京には麻婆麺と酸辣湯麺に特化した「新潟三宝亭東京ラボ」、海外には「シンガポール三宝亭」なども展開している。「県外や海外に出る時は、新潟の看板を背負っていると思っている」と社長。「東京ではランチにご飯をサービスしていて、減農薬減化学肥料の特別栽培米を玄米で送り、店で精米しています。東京で一番お米がおいしいラーメン店じゃないかと思っています」。

  • シンガポール三宝亭は平成22年に初出店。
    のれんや看板の「from NIIGATA」の文字やメニュー、米俵など随所から新潟が発信されている

  • 東京・中目黒にある新潟三宝亭東京ラボでは、年始に樽酒のふるまいも行っている

チームで取り組むおもてなしが人気店を作る

シンガポールにも同じように玄米を送り、現地で精米。地酒も置いている。「新潟で創業して、新潟のみなさんにご愛顧いただいて今があるので、少しでも新潟のプラスになりたいと思っています」。そのシンガポールの店のラーメンは、煮干しをたっぷり使ったスープで、これが非常にうけている。「今まで海外進出しているのは豚骨ラーメンが多いんですね。煮干しはうけないと言われましたが、問屋さんに協力いただいて酸化しない工夫をして送っています」。その人気から、今年5月には3店舗目をオープンしている。
飲食店の運営はチームプレー、というのも三宝の信条。社内で毎年行っている「三宝アワーズ」では優秀社員表彰のほか、各店ごとに自分たちの店の取り組みをプレゼンテーションし、全社員・パートナー社員や役員が1人1票を投じて、優秀賞を決める。「それぞれ自主練習をしてきて、素晴らしい発表をしてくれます」。社員との交流会では、「母が三宝亭の五目うま煮めんが大好きなので就職しました」という人や、園児の息子さんが「将来は三宝で働きたいと言っています」といった話を聞くこともできるそうだ。「永年勤続表彰も多いんです。すごくうれしいことですね」と顔をほころばせる。三宝を愛する社員がいるからこそ、多くの人に愛される店、味が生まれていると思わせられるエピソードだ。

  • 「三宝アワーズ」店舗によるプレゼンテーションの様子。店舗ごとの団結力につながっている

  • 人気の五目うま煮めんは、冷凍タイプがオンラインショップから購入でき、自宅でも楽しめる

今年6月、ホテルオークラ新潟に中国菜 龘 SANLONG(サンロン)をオープンさせた同社。本格中国料理レストランとして、磨かれた味を提供している。今後について「新潟県内はほぼ全域に出店させていただいているので、この先は関東方面の郊外ロードサイドに可能性を見ています」と話す金子社長。新潟発の外食チェーンとして、さらに存在感を増していく同社に期待だ。

ホテルオークラ新潟にオープンした「中国菜 龘 SANLONG」。リッチな空間で本格中華のコースなどが味わえる

  • 本社外観

お問い合わせ

株式会社三宝

〒950-1115
新潟市西区鳥原1830-1
お客様相談窓口 TEL:025-377-3993(土日祝を除く 9:00~18:00)

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