人と地域と、今日を築く

株式会社水倉組

新潟市西蒲区に本社を構える株式会社水倉組。地元に腰を据えて110年以上、創業以来一貫して土木・建設業に携わり、地域の暮らしと安全・安心を支えてきた。近年はDXの推進による働きやすい環境づくりや、子ども食堂の運営など、新たな取り組みも広がっている。下越・中越を中心に、県内2支店・5営業所を展開する同社は、これから新潟の中でどのような役割を担っていくのか。4代目の水倉直人社長に話を伺った。

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地元に根ざし、農を起点に寄り添い歩んだ110年

水倉組の創業は大正2年。初代・水倉庄六氏が「郷土に農地をつくりたい」という思いを抱いたことから、その歩みは始まった。地盤が弱く湿地も多いこの地域は、決して農業に向いた土地ではなかった。だからこそ、農を豊かにしたいという志があったという。4代目の水倉直人社長は、土木業界で経験を積んだ後、27歳で入社。バブル崩壊後、建設業界が厳しさを増す時代だったが、「創業から変わらず、地元密着で」という軸は揺らがなかった。

同社の事業は、土木・建築・舗装。この三本柱は創業から今に至るまで変わっていない。「アスファルトプラント工場の設立など事業領域を徐々に広げ、圃場の区画整理から学校をはじめとした公共施設の建築まで、幅広く携わってきました。弥彦村の大鳥居や、三条市立大学の建築なども担当しました。近年は新築だけでなく、耐震補強といった既存構造物の修繕・補修工事も増えています」。

代表取締役

水倉 直人さん

  • 農業の後継者不足という課題に向き合い、作業効率を高める農地の区画整理と圃場整備を進めている

弥彦村のシンボルである弥彦村大鳥居や令和3年に開学した三条市立大学なども実績のひとつ

同社を象徴する取り組みの一つが、農業排水路修復の新工法「ストパネ工法」だ。水路を長寿命化し、メンテナンスコストの削減にもつながるこの技術は、新潟大学農学部との産学連携によって生まれた。社員と学生がつくば市の研究機関に約1カ月滞在し、研究と検証を重ね、開発にはおよそ3年を要したという。その成果が評価され、農林水産大臣賞を新潟県内で初めて受賞した。農に関する取り組みは、圃場整備にも及ぶ。効率化が求められる農業の現場に対し、「土木の力で少しでも農家の方に還元できたら」と水倉社長は話す。毎年続けている棚田支援のボランティア活動も、その延長線上にある。

新潟発の「ストパネ工法」は、技術開発部門で農林水産大臣賞を受賞。
北海道から九州まで全国各地で採用されている

「今日を築き、明日を拓く」。長年掲げてきたこのスローガンには、一日一日を大切に積み重ねていくという思いが込められている。毎週月曜日には全社朝礼を行い、社訓を唱和。「朝礼では、シンプルな言葉で伝えて、社員全員の目線を合わせることを大切にしています。一人ひとりが生き生きと働けるように、全体を整えて、回していくこと。それが私の役割です」。

現場を整え、人を育て、地域の未来へとつないでいく

同社が大切にしているのは、社員が安心して働ける環境を整えること。若者の雇用を支援する「ユースエール」認定や、女性活躍実践企業認定制度「Ni-ful(ニーフル)」のゴールド認定、「週休2日取組企業宣言」などに、その姿勢は表れている。
令和6年7月には、建設ディレクター・DX推進部を新設。現場の作業効率を高める専門チームとして5名を配置し、現場と事務所を映像でつなぐリアルタイムレポート、ドローンやスマートフォンを活用した測量、書類のデータ化などを進めている。こうした取り組みにより、現場の残業時間も削減された。異業種からの転職者や女性技術者も、今後さらに増やしていきたい考えだ。「効率を上げて、集中すべきところに時間を使えるようにしたいですね」。

大型モニターで現場をリアルタイムに確認。異変にも迅速に対応できる体制を整えているほか、ドローンやスマートフォンで測量を効率化。撮影した点群データを活用し、現場の3Dモデルを作成するケースも

  • 令和6年に新設された建設ディレクター・DX推進部。インスタグラムを活用した情報発信にも取り組み、マスコットキャラクター「みずくる」も誕生

社内にとどまらず、子どもたちへの取り組みにも力を注ぐ。地元高校での出前授業では、建設業におけるDXの取り組みを紹介。また令和6年5月には、NPO法人「リリーアンドマリーズ」とともに、「地球の子供食堂と宿題Cafeひがしく」を設立した。約2000人が登録する子ども食堂には、棚田のボランティア活動で収穫された米が食卓に並ぶことも。地域全体で子どもを育てたいという思いが、その根底にある。

  • 高校での出前授業の様子。建設業界のDXの取り組みを、最新技術とともに紹介

地球の子供食堂と宿題Cafeひがしく」(新潟市東区役所庁舎3階)は、1,000㎡を超える広さを誇る、日本最大規模の子ども食堂。運営をサポートする寄付も受け付けている。棚田サポーターの縁で寄付された米が提供されることも

建設業としての社会的責任も忘れない。県・市との防災協定に基づき、震度4以上の地震が発生した際には、いち早くパトロールに出動。地域の安全・安心を守る役割を担っている。
令和9年夏には、新社屋の完成も予定。環境に配慮した建物とし、災害時の避難所や、農家が集い知見を共有できる場としての活用も構想中だ。「現場でかけられる『ありがとう』の一言が、何よりの励みです。これからも、地域に根ざして大きな未来を描いていきます」。その言葉どおり、水倉組の挑戦は、今日も現場から積み重ねられている。

  • 本社外観

お問い合わせ

株式会社 水倉組

〒953-0041
新潟市西蒲区巻甲5480
TEL:0256-72-2371
FAX:0256-72-2019

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