国産&ブランド力で躍進

八色しいたけ事業協同組合

八色しいたけといえば、肉厚で大きな形が特徴で「厚いにも、ほどがある」のキャッチフレーズもよく知られている。栽培規模は年々増加し、現在では県内生産量の約7割を占める。その生産を手掛けているのが南魚沼市にある八色しいたけ事業協同組合だ。充実したセンター設備やハウスの存在と、大自然からの恵みである豊富な水があるこの環境から、高品質の純国産シイタケは送り出されている。

  • 写真中央:代表理事 駒形 永幸 さん

冬場の収入確保から始まり、地域の一大産業へ

肉厚で大きく、食べるとジューシーで豊かな旨みが広がる「八色しいたけ」。その人気は年々高まり、生産量も順調に増加。いまは年間約1500トンも生産されている。出荷先は7割が関東圏、3割が県内だ。実は大型のシイタケを生産しているところは、全国的に見ても珍しい。「スーパーもお客様を飽きさせないために目新しい商品を探しています。八色しいたけはインパクトがあると好評ですね」と、八色しいたけ事業協同組合の駒形永幸さんは話す。
日本のシイタケ業界では、国内生産者からの要望を受け、令和4年の食品表示基準改正によって、種菌を植え付けた場所を原産地として表示することが義務化された。国産シイタケの条件が厳格化したことによって、海外から輸入した菌床で栽培したものは国産から外れ、国産品の流通量が減少。こうした状況も、純国産である八色しいたけへの需要増加に繋がっている。

  • パッケージにも表示されているどんぐりマーク(栽培原料原産地商標)」は、国産の原材料を使用して栽培された安全・安心なしいたけであることの証明だ

同組合の設立は平成23年。雪深い南魚沼で、冬の農業収入として原木しいたけ栽培が始まり、昭和60年に栽培者9名で立ち上げた八色しいたけ生産組合が前身だ。「原木は重く、効率も悪いことから菌床ブロック栽培に取り組み始め、平成7年から完全に切り替わりました。我々は2世代目ですが、冬場の出稼ぎ対策から地域産業へと成長させてきたのはすごいことだと思います」。
組合には、菌床を製造する菌床センター、種菌を植え付けて培養する培養センター、シイタケを選別、包装するパックセンターがある。一次培養を終えた菌床は、生産者の発生ハウスに運ばれ、そこでシイタケが収穫される。現在、生産を担当しているのは11名で、発生ハウスは120棟。「各センターで働いているのが約80名で、生産は1事業所平均で10名くらいが働いているので、八色しいたけだけで、ざっと200名の雇用が生まれています」。令和6年にもハウスが16棟増設されたが、そのうちの6棟を受け持っているのが22歳という若手の生産者。一般公募による新規参入で、これからの活躍に期待が寄せられている。

菌床センターでは、国産ナラ100%のチップに米ぬか、フスマを加えて栄養価の高い菌床を製造。
袋に自動充填されていく

  • 背丈の倍ほどもある高さに積み上げられた7万菌床を培養するハウスが4棟ある。
    ここで50日間、培養されてから生産者の元へ運ばれる

雪国・南魚沼だからこそ生まれた味を次代へ

組合の副理事も務める加藤洋平さんは、農業とは全く関係ない職業から生産者に転身。「スイカや米を生産している小澤農場の社長と同級生で、一緒にシイタケをやらないか、と誘われて。地元ですが、シイタケがどんなふうに育てられているか全く知らなくて、初めて培養センターを見た時には、その規模の大きさにびっくりしました。菌床からシイタケを発生させるにはハウス内で秋の環境を作ることが重要で、そこが難しさでもあり、面白さですね」。

  • 副理事 加藤 洋平さん

  • 発生ハウスでは、日中は温度を暖かく、夜は下げて、秋の山の気候を再現。
    それによってシイタケが発芽する

八色しいたけは、菌床の上部だけから芽を出させる栽培法を取っている。この上面栽培だからこそ厚みのあるシイタケを作れるのだが、どこででも出来るという訳ではない。上面栽培は大量の水が必要で、八海山からの伏流水が豊富なこの土地だからこそ可能な方法なのだそうだ。さらに、その水は巨大な培養センターの温度管理でも活躍。地下水を活用するヒートポンプによって、夏は冷風、冬は温風を送り込み、春から夏の気候を再現している。南魚沼の大自然も、八色しいたけを生み出す大きな力となっているのだ。
需要の増加は喜ばしいが、課題は人材の確保。駒形さんは「機械化できる部分はAIを入れるなど、省力化を進めていますが、包装作業は人の手でないと難しい。地元では人が集まらないことから、最近はカンボジアやインドネシアからの外国人労働者に活躍してもらっています」と話す。今年は新潟県信連のビジネスマッチング事業を通して、外国人受け入れ事業を行う団体の紹介を受け、10人のインドネシア人を雇用。「一生懸命仕事してくれますし、日本の文化にも興味があって、好奇心旺盛ですね。社員が山登りに連れていったり、インドネシアの料理を差し入れしてくれたり、社内で異文化交流が生まれています」。
エネルギッシュな若者や外国人の力も加わって、今後も高まっていくであろう八色しいたけのニーズに応えていく同組合だ。

規格や出荷先に応じて包装。品質のチェックや不揃いなかたちのシイタケを詰める作業は人の手が必要な部分。2025年にはジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞

  • 事務所(左)とパックセンター(右)

お問い合わせ

八色しいたけ事業協同組合

〒949-7231
南魚沼市茗荷沢1473-25
TEL:025-780-1360
FAX:025-780-1363

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