『佐渡みかん』
佐渡生まれゆえの濃厚さ
おけさ柿や佐渡りんご、黒いちじくなどの人気フルーツが栽培されている佐渡。そのラインナップに20年ほど前から加わったのが「佐渡みかん」だ。温州みかんといえば、温暖な気候の地域が産地であり、佐渡はその北限の栽培地とされる。甘いだけでなく、ほどよく酸味もあって、バランスのいい濃厚な味わいが魅力の佐渡みかん。まだ生産量が少なく、島外ではなかなか出会えない“幻のみかん”だ。
北限の温州みかん栽培に生産者有志が挑戦
佐渡みかんを知る人に聞くと、実がしっかりしていて表面に艶があってきれい、甘みと酸味のバランスがいい、コクがあって果汁もたっぷりでおいしい、と誉め言葉が並ぶ佐渡みかん。その背景には「とにかくおいしいものを作ろう」と栽培に取り組む、生産者の皆さんの向上心がある。
佐渡島は対馬暖流に面していることから、新潟県のなかでは比較的温暖で、昔から自家用のみかんが栽培されていたそうだ。「でも、それはとてもとても酸っぱいものだったんです」とJA佐渡みかん倶楽部・倶楽部長の金子伸吾さんは話す。平成13年、先駆者である赤泊地区の金子博さんが佐渡みかん栽培を始め、島外へ出荷すると、その味が高く評価されるようになる。それを受けて、柿やりんごに続く新たな農産物として、平成20年から島内の生産者たちが取り組みを始めた。そこに菊地行男さんや金子一輝さんなど黒いちじくのおぎビオレーの生産者も加わり、現在は33軒、6ヘクタールで栽培されている。

色づいたみかんがたわわに実った金子一輝さんの畑。ゆら早生と田口早生が50本ずつ、100本の木を育てている。佐渡みかんの生産のメインは小木や赤泊で、タバコ廃作地などを活用してみかん畑が広がっている

佐渡みかんは皮が薄く、ジューシーで、旨みが凝縮している印象の味わい
代表品種は和歌山生まれのゆら早生と田口早生。収穫はゆら早生が10月末から始まり、2週間ほど後に田口早生が続く。年内にはほとんどの出荷が終了するというスケジュールだ。佐渡みかん倶楽部としての決まりは、実が色づくまでは木に置いておくこと。そして1週間から10日寝かせてから出荷となる。「収穫した直後はまだ酸味が勝っているんです。寝かせることで酸味が落ちついて、甘みとのバランスが良くなります」。
寝かせる期間は、糖度を測りながら何度も試験をして編み出したそうだ。「和歌山の苗木屋さんから、ゆら早生は作りが難しく、和歌山では糖度が10度以上で優良品とされると聞いたのですが、佐渡のものは13~14度にもなるんです。苗木屋さんからは、佐渡の土が合うんじゃないか、と言われましたね」。

摘果することで、大きい実に育てることができる。木をよく見ながら手入れすることが重要だそう。収穫しやすいように樹の高さを調整するなど生産者ごとに工夫を凝らす

樹上で熟成させ収穫後も少し置くことで、きれいなオレンジ色に色付いていく
佐渡の気候風土と生産者の努力と工夫が、北限のみかんの特別な味を生み出したという訳だ。一方で北限ゆえの苦労もある。11月中旬になるとあられが降ることもあり、樹上熟成させていた実に傷がついてダメになってしまうことがある。
もうひとつ大変なのが冬越し準備。佐渡の風、霜、雪から樹を守るため、支柱を立てて樹全体をネットで覆うという対策を取っている。

春の剪定、秋の収穫、そして冬越しの準備が大仕事。雪が降る前に支柱ごとに青いシートをかぶせ、樹を守る。畑の周囲には防風林も。風よけと日当たりのバランスが難しいそう
栽培面積の拡大で生産量アップを目指す
その味が評判の佐渡みかんだが、現在は島内消費がほとんどで、島外ではなかなかお目にかかる機会が無い。「新潟市の人から、話には聞くけど見たことがない幻のみかんだと言われますね」と金子倶楽部長。それだけに目標は生産量のアップだ。
JA佐渡の齊藤麻衣子さんも「柿やりんご、ル レクチエに次ぐ存在として、私たちも期待している農産物です。生産者の皆さんが素晴らしいスキルをお持ちなので、それを次の世代の担い手に受け継いでいってもらいたいと思っています」と話す。
金子倶楽部長も「せっかく名前が知られるようになってきましたし、新潟県や佐渡市、JAもバックアップしてくれているので、なんとか新規参入者を増やしていきたいです」と目標を語る。
佐渡は日本の縮図とも言われ、青森から九州までの農産物を作ることができるという極めて稀な土地。「四国の人が訪れて、りんごとみかんが並んで生っているなんて、と驚いて写真を撮っていたそうですよ。みかんも特産品に加わって、フルーツの種類も豊富。佐渡はもはやフルーツランドと呼ばれてもいいんじゃないかと思います」と金子倶楽部長。
今シーズンはみかん裏作の年ということもあり、例年よりも収穫量が少なかったが、その分来年には大きな期待を寄せている皆さん。みかんのシーズンに佐渡に足を運んだ際は、ぜひ佐渡みかんの濃厚な味わいを楽しんでみてほしい。

島内を中心に出荷される

JA佐渡 小木青果物集出荷施設

JA佐渡みかん倶楽部
金子 一輝さん
JA佐渡みかん倶楽部
菊地 行男さん
JA佐渡みかん倶楽部
倶楽部長
金子 伸吾さん
お問い合わせ
JA佐渡 小木営農農機課
〒952-0604
佐渡市小木町1289-1
TEL:0259-86-3711
FAX:0259-86-3760
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