『くりゆたか』
栄養たっぷり愛され野菜
免疫力を高めるβカロテンやビタミンE、食物繊維などを豊富に含むかぼちゃ。甘くておいしいのはもちろん、夏疲れした体にたっぷりの栄養をくれる頼もしい野菜だ。新潟県内のトップ生産地は十日町市。主力品種の「くりゆたか」は、栗のような食感と強い甘みが特徴だ。おいしさを生むポイントのひとつは、収穫後に行うキュアリングとのこと。さて、キュアリングとは一体どんな作業? 話を伺うべく、十日町市当間地区のかぼちゃ畑を訪ねた。
かぼちゃの新潟県内トップ産地は十日町市
甘くてホクホクで、料理でもスイーツでも大活躍するかぼちゃ。新潟県内では平成14年ごろから十日町市の生産者が増加し、県内のトップ産地となっている。同市の当間地区でかぼちゃ栽培を手掛ける佐藤正一さんは「このあたりではタバコ栽培が盛んでしたが、その転作作物としてかぼちゃを作る人が増えていきました」と、その背景を話す。現在、十日町地区では約40人がかぼちゃを栽培。そのうち約半数が手掛けているのが、一般市場向けのくりゆたかという品種だ。

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佐藤さんのかぼちゃ畑は標高450mにある。稲刈りの前に収穫が終わるので、米と合わせて栽培している生産者も多い
くりゆたかは、甘みが強く、名前の通り栗のような食感が特徴で、大きいものはひとつ3キログラムにもなる大玉品種。収穫量も安定していることから、平成18年から転換し、十日町産かぼちゃの主力品種となっている。
かぼちゃといえば、ハロウィンのお菓子や、冬至かぼちゃのように、秋冬野菜のイメージだが、収穫が行われるのは夏。JA魚沼の髙橋憲祐さんは「特に十日町産は、国内一番の産地である北海道産かぼちゃが最盛期になる前の時期に市場に送り出せるように栽培を進めます」と話す。

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1箱10㎏以上になるよう3~4玉が箱詰めされる
佐藤さんの畑では4月末に苗を定植。1株から幾つもツルが出てくるが、余分なツルは除いて2本立てにする。そこから地面を這うように、どんどんツルが伸びていくが、ある程度のところで先を切って、実に栄養が行くようにすることが大事だという。
もうひとつ重要なのが、葉を大きく茂らせること。直射日光を浴びると実が日焼けし、表面が白茶けてしまうので、実を隠すくらい葉が元気な状態がベスト。雨が少ないと葉がしおれてしまうので、ほどよく雨が降ることも重要だ。また、実が小さい時期の大風も敵、と佐藤さん。「大きくなると皮は硬くなりますが、小さいうちは葉っぱが当たって擦れるだけでキズになる。成長するとその傷も大きくなってしまうので、気をつけないといけない点ですね」。

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葉がうどん粉病にかかりやすいため、その予防が大切。葉をかきわけないと、かぼちゃがどこにあるか分からないほど元気な葉が実を日差しから守っている

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日焼けやこすれを防ぐために一つひとつ保護
収穫は7月下旬からお盆前がピーク。ひと玉が重く、腰を曲げての作業なので、とても重労働だ。「栽培自体は手がかからないけれど、暑いときに収穫なので、そこが大変ですね」。収穫の際に使うのが、かぼちゃ専用のハサミ。硬くて太いヘタを切りやすい特殊な形状になっている。「三条のハサミだからね、これはよく切れるよ」と佐藤さん。
かぼちゃ専用ハサミは実を傷つけないように刃先がスプーン型に湾曲しているのが特徴
収穫後のキュアリングが品質と味の決め手
収穫した後は、他の作物のようにすぐ出荷するのではなく、一旦ハウスに並べられる。これはキュアリングと呼ばれる工程で、1週間ほど風通しの良い場所に置いておく。ヘタの切り口を乾燥させ、病原菌の侵入を防ぐために行われるものだ。売られているかぼちゃは、ヘタの部分が硬くコルクのようになっているが、それがキュアリング済みの印といえる。

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切り口が乾くまでハウスで1週間ほどキュアリング。ずらっと並べられた姿は壮観だ
また、かぼちゃは収穫してすぐは糖度が低めで、追熟することで、どんどん甘みが増していく。キュアリングの間に追熟も進み、おいしい状態になって市場へ送り出されるという訳だ。スーパーの店頭に並ぶかぼちゃは、メキシコやオーストラリアなどの海外産も多いが、昨今の円安によって海外市場で日本が買い負ける状況にあり、翻って国産かぼちゃは引き合いが多くなっているそうだ。
JA魚沼では、くりゆたかの規格外品を、かぼちゃペーストに加工して販売もしている。地元菓子店がスイーツを作ったり、飲食店がスープで提供したりと、さまざまに活用されている。ペーストは地域の直売所でも販売されていて、一般のお客様にも好評だ。

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かぼちゃペーストは、JA魚沼の直売所「四季彩館ベジぱーく」や「うおぬま百菜館」で1kg入りで販売中
くりゆたかの食べ方として、佐藤さんは「甘みも強いからやっぱり煮物かな」。髙橋さんは「くりゆたか自体がおいしいので、レンジで火を通して、そのまま食べるのが好きですね」とのこと。かぼちゃの見分け方としては、ヘタの部分がしっかりコルク化しているものがいいとのこと。栄養たっぷりのかぼちゃで免疫力を上げて、寒い季節に備えたいところだ。

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十日町基幹営農センター

JA魚沼
十日町基幹営農センター
髙橋 憲祐さん

かぼちゃ生産組合
佐藤 正一さん
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JA魚沼 十日町基幹営農センター
〒948-0056
十日町市高田町六丁目618
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